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(連載小説)憑依の研究 第11話 くノ一

(なにか方法はないのか!)
俺はネットを狂ったように検索する。
心霊、超常現象、宗教に関連するサイト、終いにはTS関連の情報サイトまで目を通すが、解答どころかヒントさえ見つからない。
苦しそうに顔をしかめながら眠る相棒を見つめる。
その纏うオーラに浮かぶ紫色の斑点がわずかに蠢いているようにも感じる。
(落ち着いて状況を整理してみるか)
原因は女性に憑依してきたこと、これは間違いない。
そして紫色の斑点…俺たち男の霊体は青色なのだから、赤色の異物…つまり女の霊体の欠片が繁殖していると考えるのが妥当だ。
ここまで考えがまとまったとき、ネットで検索中だったサイトの『ある言葉』が俺の目に入る。
その言葉が天啓のように俺に刺さり、1つのアイデアが浮かぶ。
(試してみる価値はあるな)
そう考えて、揺すって秀作さんを起こす。
まだ苦しそうに呻きながらも、目を覚ました相棒は俺を見つめる。
「秀作さん、1つ試してみたいことを思いつきました。俺の言ってることが分かりますか?」
声は出せないまでも、頷いたのを見て俺は言葉を続ける。
「まず幽体離脱してみてください」
俺が言うと、相棒の体から力が抜けて、霊体が浮き上がってくる。
「じゃあ成りすます時の要領で、異物を表面に出して纏ってください」
秀作さんの霊体は俺が言ったことをしばらくの間イメージして、実行する。
やがて霊体の表面に色々な種類の赤色がマーブル状に混じったオーラが浮かび上がり、全体を覆う。
「よし、いいぞ!最後です。そこから『脱皮』してください!」
俺に言われて明らかに戸惑っていたが、四つん這いになると力を振り絞るように震え始める。
やがて意を決すると背中から勢いよく抜け出す。
混ざりあった赤い霊体から離脱して、単色の濃い青の霊体がそこにいた。
成功だ!
自分の霊体が元に戻っていることを確認して、体に戻ると秀作さんの体が意識を取り戻す。
「どうなってんだ、これは?」
苦しみから解放されて不思議そうに声を挙げる。
「とにかく上手くいって良かったです。これは…いままで乗り移ってきた女たちの霊体の欠片の集合体みたいですね」
ある程度まで問題ないが、一定量蓄積すると活性化して拒絶反応のようなものを起こしたのだろうと俺は推測している。
つまりこれから何度も起こると考えられるのだが、今は黙っておくことにした。
まだ四つん這いの赤い霊体は、そのまま動かず、背中の穴はいつの間にか塞がっていた。
「こいつ動くのかな、お?」
秀作さんが呟くと同時にその赤い霊体は立ち上がる。
あらためて見るとかなりスタイルの良い女の形状を持っていた。
「俺がイメージしたら立ち上がったぜ。面白いな」
そして、次は相棒に向かって片膝をついてしゃがみ、忠誠を誓うかのように頭を垂れる。
「なんか『くノ一』みたいっすね」
俺はその様子を見て感想を述べる。
「女の忍者『くノ一』か。いいネーミングだな。よし、お前はこれから『くノ一』だ」
そう告げると、まるで理解したかのように『くノ一』が頷く。
その後は相棒が思い浮かべた色んなポーズを『くノ一』がとり始める。
俺もしばらく眺めていたが、結構遅い時間になっていることに気づく。
「とりあえず一安心ですね。今日は色々あって疲れたので帰ります。もし何かあったら連絡ください」
相棒は頷く。
「…大きな借りが出来たようだな。とにかくありがとよ」
俺は部屋を後にした。

月曜日、あれから何も連絡はなかったが、気になったので早めに登校して用務員室に向かう。
ドアを開けようとすると、微かな香水の匂いがした。
そして、中を覗いて俺は声を失う。
ズボンを下ろした秀作さんの前に白衣を着た女性が跪き、股間に顔を埋めている。
「おう、お前か」
機嫌良さそうに声を出し、楽しそうに笑う。
「『くノ一』、最高だぜ!こんなことも出来るんだぜ!」
相棒にフェラチオで奉仕しているのは綾香先生なのだが、今の彼女が纏うオーラは驚いたことに色々な赤色がマーブル状に混ざった『くノ一』のものだった。
「折角だから、お前もやるか?」
そう言うと綾香先生は奉仕を止めて俺の方を振り向く。
無表情で目にも力が無い彼女の状態に俺は少し引いてしまう。
「ん?気に入らないか?俺はこのままでも良かったけどな…。よし『くノ一』、綾香に成りすますんだ!」
命令を受けて綾香先生の体が一つ頷くと、無機質に口元が動き始める。
「ワタシ…ナマエ…アヤカ…わたしのなまえはひらいぎあやか…」
すると今の彼女の纏う混じり合ったオーラの表面を本来の綾香先生のオーラの色である鮮やかな赤色一色が染め上げていく。
無表情だった顔も呟き続けるうちの徐々に生気を取り戻し、目にも活力が宿る。
「…私は平井木綾香になりました」
報告を受けて秀作さんはニヤニヤ笑いながら命令する。
「よし綾香、こいつに口で奉仕するんだ」
綾香先生は命令に頷くと笑みを浮かべる。
「さあ、先生が口で奉仕してあげるから、君もはやく出しなさい!」
勢いに負けて俺はズボンを下ろす。
綾香は俺の前に跪き俺のパンツを勢いよく下ろすと、出てきたペニスにしゃぶりつく。
俺の感じる場所を綾香の舌が的確に攻めてくる。
「おほ!」
突然下から突き上がってきた快感に、思わず奇声を挙げてしまう。
あっという間に俺の股間は怒張するが、そんなことはお構いなく綾香は口いっぱいに頬張ると、頭を前後に動かして更に激しく刺激を与えてくる。
「ちょ…で、でる!」
一応我慢しようとしたが、あっさりと降伏した俺は、綾香の口内にそのまま射精してしまう。
彼女は目を細めると、ペニスから口を離し、喉を鳴らして飲み込む。
「す、凄いな」
「な、すげえだろ?どうやら『くノ一』は自我は無いみたいだが、知識と経験は豊富で、命令すれば自分で判断して実行できるみたいだぜ」
秀作さんは自慢しながら時計を見る。
「おっと、もうこんな時間か、そろそろ戻さないとな。よし、その体を元に戻してこい!」
命じられた綾香先生は1つ頷くと立ち上がる。
「そうそう、途中で口を濯いでいくんだぞ。流石に口の中に残っていたら不味いからな」
付け加えられた命令にもう一度頷いた綾香先生は、部屋を出ていく。
俺がズボンをはいて一息入れていると、霊体の『くノ一』が戻ってきた。
彼女は相棒の前に来ると、忠誠を誓うように片膝をつき頭を垂れる。
その様子を見ながら、俺は立ち上がる。
「俺も授業があるんでいきますね」
「おう、また放課後な」
俺は部屋を出た。

教室に向かって歩きながら考える。
(これは凄い事になってきたぞ)
今まで俺たちは、口にこそ出さなかったが『女に乗り移って男の相手をする』という事を意図的に避けてきた。
快感が得られるものだと頭では分かっていたし興味が無かった訳ではないが、お互い生理的に受け付けなかったのだ。まあ、秀作さんの場合、趣味がレズや変態プレイに傾いていることもあったが…。
とにかく『くノ一』の存在によって、そういった制限がなくなり、『俺たちの楽しめる事』が大幅に広がったのは事実だ。
だが『くノ一』の所有者は秀作さんだ。彼の意向が優先される。
(それでも!)
俺は今後の展開を期待して胸を躍らせるのだった。
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コメント

No title

更新ありがとうございます。いつも楽しんでいます。

 こう解決しますか。
 ちょっと「憑依」とは違うような気もしますが、ブログの題材の
「マインドコントロール」の一種と考えれば、これも有りですね。

 これで、憧れの人とも気持ちいいことできますね。

コメントありがとうございます

もしこの展開が読めていた人がいたら、私の生まれ変わりか、私と同レベル以上の変態ですね(誉め言葉)。

『くノ一』の構想自体は既定のものだったのですが、話も終盤ですし、思いっきりハイスペックにしました(実用したらスマホより普及するレベル)。

自分で出しておいて言うのもなんですが、作者泣かせの存在を上手く使ってラストまで頑張ってみようと思います。

No title

続き楽しみにしてます!

がんばります!

> 続き楽しみにしてます!

やれるだけやってみます。

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