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(連載小説)憑依の研究 第9話 親友

「んー、今日も疲れた」
仕事が一段落ついた椎木妙穂は、机の上の書類に向けていた視線を上げる。
周りを見渡すと何人かの同僚の教師たちは帰り支度を始めていた。
「…癒しが欲しいな…」
独り言を呟きながら椅子に背中を預ける。
「!」
次の瞬間、妙穂の意識は突然途切れた…。

………

(あれ?)
気付いた時には見覚えのある場所に立っていた。
(ここは…保健室?)
なにかフワフワした感じで自分に主体性が感じられない。
(これって夢なの?)
側でカチャカチャと物音がするので視線を向けると、同僚で仲の良い友人でもある平井木綾香が三脚にスマホを取り付けていた。
「よし、できたぞ。それじゃあ始めるか…って、もう成りすましてるのか、気が早いな」
男のような言葉遣いで綾香が話す。
「じゃあこっちも…、俺の名前は…綾香…そうだ、俺は平井木綾香だ…」
ブツブツ呟くと、目の前の綾香の雰囲気が変わる。
「…うん、これでいいわ」
何かに納得した綾香が服に手を掛けて脱ぎ始めた。
(あ、私も脱がないと…)
何故かそう思い、妙穂も遅れて服を脱ぎ始める。
先に脱ぎ終えて全裸になった綾香は、姿見の前に立って自分の体を丁寧に確認していた。
こちらも脱ぎ終えると、交代で姿見の前に立つ。
(…なんだろ、この感じ…)
鏡の中の自分を見て、喜んでいるような感動しているような自分が別にいるような気分になる。
綾香と同じように自分の体を丁寧に確かめていく。
自分の体なのに、その柔らかい触り心地が妙に気持ち良く感じる。
(…変な気分…)
「妙穂…こっちに来て…」
綾香に誘われるままに向かい合って立つと、お互いの体をじっくりと眺め合う。
(…綾香…凄く綺麗…)
胸のボリュームは勝っているものの、全体的なバランス、特に下半身のラインの美しさは目の前の友人の方が上だと僅かな嫉妬と共に感じる。
綾香が妖しく微笑むと体をぶつけるように近づいてきて、唇を重ねる。
そのままの勢いで二人はベッドに倒れこむ。
(…いい匂い…ああ…いいわ…凄くいい…)
スマホのカメラの前で美女二人が絡み合い、互いの体を貪る宴が始まった…。

………

宴が終わり、ベッドに転がって火照った体を冷ましていた二人は、気怠そうに起き上がると、黙々と下着を身に着け始める。
服を着終えて姿見で乱れがないかチェックすると、鏡の中の妙穂が満足そうに1つ頷く…。

………

「はっ!」
意識を取り戻した妙穂は周りを見渡す。
そこは職員室で、自分の机に座っていた。
「…また居眠りしてたの?それにしても綾香とあんなことする夢を見るなんて…でも…」
仕事の疲れか、少し体が重いが、気分はリフレッシュしたような気がする。
同僚たちはほとんどが既に帰ったようだ。
慌てて帰り支度をして部屋を出る。
気になったので保健室の方に向かうと、荷物を持った綾香の姿が目に入る。
先ほど見た夢を思い出し、顔が赤くなるのを感じる。
「どうしたの、綾香?」
問いかけると普段の彼女とは違う戸惑った様子をみせる。
「え?あ、うん、今日は一緒に帰ろうかなと思って…どう?」
「え?ええ、大丈夫よ」
二人は並んで歩き始める。
「…ねえ、手を繋いでもいい?」
妙穂の突然の発言に少し顔を赤くしながら綾香は答える。
「ええ、いいわよ…もちろん…」
二人はしばらく手を繋ぎ、夢の余韻に浸って歩くのだった…。

用務員室では二人の男の会話が弾んでいた。
「秀作さん、AVの監督になれるんじゃ?」
「いやいや、お前さんもなかなかだったよ」
「いやー、妙穂先生の意識も結構ノリノリで楽しかったですよ。綾香先生の体もたっぷり堪能できたし、最高でした!」
その後も二人はスマホで再生される動画を見ながら、親友のように語り合うのだった。
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コメント

No title

続き楽しみにしてます!

コメントありがとうございます

> 続き楽しみにしてます!

頑張って続きを書きます!

No title

じっくりとこだわりを持って楽しんでいるところが臭作さんらしくて良いですね。
これからも秀作さんらしい、変なこだわりを持ったシチュエーションを楽しみにしています。

いずれ本番をするならば、異物感は仕方ないけど、証拠を残さないためにもコンドーさんのお世話になるのかな?
そのうち、面倒くさくなって生でやりそうだけど。
とにかく、こだわりの本番を期待しています。

コメントありがとうございます

色々と痛いところを突くコメントですね。
答えられる部分だけ返しますが、あのゲームの内容がどんなものなのかは知っていますが、プレイしたことはありません。
ただ、キャラのイメージ的に合っているから名前を拝借した感じです。男の名前にこだわりはありませんし。
結果的に誤解が生じることになったかもしれませんが、問題のない範囲だと思います。
これからもツッコミをよろしくお願いします。

No title

どうも「臭作」という単語にいろいろ気を使わせてしまったようで申し訳ありません。
たしかにそのゲームはプレイしたことがありますが、今回のこれは誤変換です。
「臭/酢酸」と変換されたものを「臭/作さん」と後ろだけ変換してしまったようです。
次に書いた「秀作」が正しく変換できているのが何故かはわかりませんが。

わたしが前半で書きたかったのは、下記の2つの事柄です。
1.秀作がこだわりを持って楽しんでいるところが良い。
2.変なこだわりを持ったシチュエーションを楽しみにしています。

では、次の更新を楽しみに待っています。

了解しました。

期待に添えるように頑張ってみます。

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