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(連載小説)婆ちゃんの贈り物 第5話


「あたしの本当の特技は、占いなんかじゃなくて女に別人格を植え付けることさ。
この店の客は全員あたしに選ばれた女たちなのさ。
あたしがいろんなところに張り巡らした網に掛かった見栄えの良い女たちがね。
そうやってきた女たちに、あたしの命令に従順に従って働く『コンパニオン』の別人格を植え付けるのさ」

思いがけない告白に呆気にとられた俺の顔が面白かったのか、婆ちゃんは笑みを浮かべて説明を続ける。

「まあ、いきなりは信じられないだろうから、希美を例に説明してやるよ。
希美には、放課後になったら『コンパニオン』になってお前の初体験の相手をするように命令しておいたのさ。
ちなみに『コンパニオン』として働いた時の記憶は、本来の自分に戻るときに不都合な部分を自分で操作するように別人格の中に埋め込んであるんだよ。
希美はお前の相手をしたことを完全に忘れてただろ?
もし覚えていたら教師としての良心と衝突して心が壊れるかもしれないからね。
正確に表現するなら『希美の本来の人格の方だけお前を誘ってセックスしたことを思い出せなくなっている』んだけどね。
そうやって記憶の空白が出来た時は自分で適当に捏造するのさ。
難しいことをやらせているように聞こえるかもしれないけど、元から人間は人格を維持するために無意識に自分に不都合な記憶を操作するのさ。
それを別人格には意識して出来るように仕込まれているんだよ。
でないと本来の人格が不都合な記憶に押しつぶされて崩壊するかもしれないからね」

説明を最後まで聞いた俺の中で、何かが蠢きだしていた。
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